今年度のボウリング業界の景気は前年度より僅かに良くなっている。
未だ本物のトレンド回復と言えるレベルまでには至っていないから、ボウリング場の中には相変わらず苦戦が続いているところもあるだろう。
それでも、もしもボウリングが2020年の東京オリンピックで正式種目として採用されていたら、この僅かなトレンド回復も「オリンピックのおかげ」ということになっていたと思う。
では、もしもボウリングがオリンピックの正式種目になっていたらどうだったんだろう。
国体の正式種目となって久しいのに、競技人口が右肩下がりであるから、オリンピックという国体の比ではないインパクトを考慮しても、ボウリングのプチブームなんて起きていないように思う。
「誰もがオリンピックの日本代表になれる競技」とかを謳い文句にしてキャンペーンをしていたと思うけど、ボウリングといえども修練を積んできた者に容易く追いつけるものではないことがすぐに周知されて、そんなキャンペーンは1年もすれば頓挫してたことだろう。
選考の過程でJBC選手有利という状況が明らかとなり(過去にはそんなこともあったからね)、かえって競技ボウリング界は混迷し更に衰退する新たな端緒を作ることになっていたかもしれない。
では、追加種目として採用された競技はビジネス的にどうだろう。
野球は、オリンピックの期間中にプロ野球がペナントレースのスケジュールをどう調整するのか、球団や選手がどの程度協力するのか、という部分で決まるだろう。
4年に一回ぐらいは協力して、オリンピックをプロ野球活性化に利用するしたたかさを見せて欲しい。
スポーツクライミングやサーフィン、スケートボードはオリンピックの種目になったからといって、爆発的に愛好家が増えるようにも思えないから、一過性のオリンピックブームのために巨額の投資があるとは思えず、産業として成長する幅は小さいだろうな。
オリンピック種目となって、ビジネス的にも期待できるのは空手だろう。
格闘技のショービジネスとしてフルコンタクト空手に脚光が当たっている現状を打破し、従来の寸止め空手が産業として伸びるチャンスだと考えている。
勝敗・優劣を明らかにすることだけが際立つフルコンタクト空手に対し、規律や礼儀を重んじ、勝負に勝つことだけが目的ではなく精神と身体の修練を目的としていることをアピールできれば、人格形成の教育機関として空手道場はイノベーションできる。
懸念されるのは、寸止め空手が全て判定で勝敗を決めるところだ。
あんなに早い技の応酬で相手に当てない寸止めは、剣道の試合を素人が見ていても解らない以上に、優劣が解らない。
オリンピックのような国際試合では、不可解な判定、疑惑の判定が国際問題にもなりかねない。
防具を付けてセミコンタクト形式にしたら、テコンドーと紛らわしいうえに、空手が培ってきた格式や威厳を損ない、オリンピック後を考えたらビジネス的にも損失が大きい。
寸止め空手には、ボクシングのKO勝ち、柔道の一本勝ち、レスリングのフォール勝ちのような、判定ポイント差を逆転する勝ち方が無いから、スポーツ興行としての劇場性に乏しいことは否めない。
こういう要素も勘案しつつ、さりとて一過性のオリンピックのために、武芸から武道に昇華してきた空手が損なわれないように願っている。

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