レジャー白書によれば、2015年度のボウリング業界の事業規模は660億円。
この規模は、一部上場会社の中に入れても1200位以下の規模です。
残念ながら、日本経済の中においては、我々はちっぽけな業界なのです。
ボウリング場で働くことに、もしくはプレーヤーとしてボウリングが巧みであることに誇りを持つのは悪いことではありません。
しかし、ある程度上層部のボウリング業界人は経済的な尺度の思考も併せ持たないと、舵取りを誤るように思います。
今この業界に必要なことは、昭和時代から、もしくは20世紀から持ち越してきた業界の慣習やら組織やらを、今の時代に合わせて作り直すことだと考えます。
ボウラーといえども消費者であり、競技団体に加盟する経済的負担を考えたら、それに値するメリットが無くてはなりません。
競技団体も運営に資金がかかりますから、加盟ボウラーからの会費や公認料だけでは足りず、業界団体の援助を頼ったり、競技環境を公認する仕組みでお金を集めたり、上納金付きの業界団体を作ったりしてきました。
ボウリング場は営利事業ですから、出資する以上は見返りを求めるのは当然なことであり、競技団体はその要求を無視できない立場にあります。
これが、ボウラーの利益に反するケースも無くはないので、競技団体は会員数を減らし続けています。
いっぽう、業界団体は低迷する加盟率を上げるために加盟メリットを用意しなければなりませんが、上述した仕組みから「ボウリングを愛好する消費者団体」である競技団体が利権化し、ボウリングへのこだわりが薄い消費者層の需要低迷もあって、この「利権」に群がる傾向が強まっています。
ゴルフやフィッシングのように、レジャースポーツ事業は自前の道具を所有するホビー消費が需要の中核とならなければ、基盤が脆弱な産業としていずれは消えていくでしょう。
アイススケート場がそうでした。
今でもアスリートスケーターはいますから、アスリートボウラーさえいればいいと考えている競技団体幹部にとっては、ボウリング場がそうなっても構わないのかも知れません。
ボウリングは爆発的なレジャー消費からスタートしてしまったために、ホビー消費者を育ててきませんでした。
これは、レジャー消費のほうが稼働率が良く利益率が高くなるために、限られた設備で収益を高めるためにレジャー消費を優先せざるを得なかった、ビジネスとしての宿命もあります。
混雑しているボウリング場で左右を牽制するボウラーは、ビジネス的には迷惑なお客様であったのは間違いありません。
レジャー客で混雑し、同時投球やファウルが頻発しても、懸念されるほどに事故が起きるわけでもありませんでしたから。
しかし、もう単なるレジャー産業としては、「日没時間」が迫っていると筆者は危機感を持っています。
ホビーユーザーの消費者としての立場を尊重し、今までの業界の仕組みを変えてでも、ホビーユースの消費者を育てていかなければいけません。
アスリートを育てるのではありません、技量に関係なく、愛好家を育てるのです。
その収益力では手を引く経営者も出てくるでしょうが、それもまたビジネスとして仕方が無い事でしょう。
ボウラーだって消費者であり、ボウリング場だってビジネスだという、それぞれが相手の立場を考慮しなければいけない時期に来ています。
そして、その間に立つ競技団体は、今までやってきたことの取捨選択をしなければいけません。
ちっぽけな業界
カテゴリー: ボウリング業界

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