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「達成感」の商品化

筆者はかつてブログに、ボウリング場の集客策は要約すると「イベント」「プレゼント」「ディスカウント」の3つだと書きました。
しかし、これは需要のある局面で競合他店舗との差別化を図る策に過ぎません。
現在のボウリングの商況は、長期的にみると「ボウリングという商品そのものの訴求」に力を入れなければいけない状況だと考えます。
このところテレビ局のスタッフと一緒に仕事をする機会が多かったのですが、タレントにボウリングをさせる企画を撮ったあるディレクターの話では、収録場所に集まった一般ギャラリーの反応が一番あったのが「ピンを見ずにレーン上の三角形を狙って投げる」というアドバイスの部分だったそうです。
あと「スペアの次の一投で沢山倒すと点数が良くなる」とか、昭和時代にはある程度一般の人たちも知っていたボウリングの常識が、今ではすっかり忘れ去られているという印象です。
ボウリングの商品力はなんといっても「誰もが味わえるそこそこの達成感」だと思います。
ボウリングの人気の衰えは、結局はこの商品力の供給先が先細ってきたからだと考えています。
エリートボウラーを目指すための情報は、インターネットに多数存在し、昔よりもずっと進化しています。
しかし、それを見るのは数の限られたマニア層です。
それはそれで、ボウリングという種目を支えている重要なファクターではありますが、産業としてのボウリング場にとって、それはあまりにも絶対数が不足しています。
我々ボウリング場が存続するためには、自前の用具を持つに至らない消費者に、ボウリングの商品力である「達成感」を与えていかなくてはならないのです。
整理すると、競技力の目安である「自己平均点(アベレージ)」に達成感を設定するか、「自己最高点(ハイゲーム)」に達成感を設定するか、というセグメントがボウリング場という産業のマーケティングには必要です。
用具の進化もあってレーンコンディション次第で簡単にパーフェクトゲームが出る現在、競技力の目安はハイゲームではなくなっています。
いっぽうで、レンタルシューズユーザーレベルでのボウリング自慢は、今でも自己最高点です。
一度でも170点程度の自己最高点を出したことのある消費者と、100点以上を出したことの無い消費者では、ボウリング消費のモチベーションに格段の差があります。
我々が雇用しているスタッフはプロボウラーも含め、マイボールを持たない消費者を即席で教導するスキルを持っていません。
LTBを通じて正しいボウリングの素養を培うことは、ボウリング場というビジネスにとっても、とても貴重な企画です。
それはそれとして、我々は年に数回しかボウリングをしない消費者、LTBとか教室に通って得られる「上達」を欲していないレベルの消費者に対しても、ボウリングが持つ「達成感」を商品化していかなければいけないと考えています。

カテゴリー: ボウリング業界

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