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スターボウラーの誕生がボウリング産業を救うという幻想

錦織選手のテニス、浅田選手のフィギュアスケート、世界に通用し国内でも注目されています。
でも、地方でテニススクールやスケートリンクが増えているという話を寡聞にして知りません。
もちろん、エリート選手の活躍がスポーツ産業にとってマイナスに働くことはないでしょう。
部活動やサークルの部員が増え、用品販売数が伸びているということはあると思います。
でも、それとても国民的スポーツにはなっていません。
観戦者の動員力増加ほどに、競技参加人口が増えているのでしょうか。
これがボウリングであれば、国民的スポーツになれるだけの施設数がまだ日本全国にあります。
10年前ならば、もっとありました。
プロボウリングというものがありますが、ジャパンカップで日本人選手が優勝しても、なんのニュースにもなっていません。
ボウラーにすら、知らない人は居ます。
マイボールでボウリングをする人全てが、プロボウリング観戦に興味があるわけではありません。
一部のマニアにだけ価値がある世界タイトルですから、プロレスに似たようなものです。
プロレスは国民的スポーツにはなれません。
あれは「見世物」「興行」としての存在価値です。
プロレスラーはアマチュアにまず負けることはありません。
プロボウラーはアマチュアにたまに負けることがあります。
ボウリングと云う種目自体が、本来そういうものだからです。
興業スポーツのステージに上がる人は「常人」であってはなりませんが、プロボウラーはほぼ「常人」です。
また、ボウリングという種目のルールでは、「常人」ではないパフォーマンスを競技結果に残す術はありません。
観る者を飽きさせない多様なパフォーマンスを、演じるステージでもありません。
まったく知らない人が見たら、プロの競技会とアマチュアの競技会の区別がつかないのが現実なのです。
だからアマチュアでもいいのです。
世界タイトルを獲って欲しい。
でも、今のワールドツアーで勝っても、やはりボウリングはニュース価値がありません。
ボウリングの世界タイトル自体が、テニスやゴルフのような世界での価値を持っていないからです。
世界で価値が無いものに、価値を見い出す日本人ではありません。
ましてや、ボウリングの「アジア王者」にどれほどのニュース性があるでしょうか。
アジア大会での選手の活躍は立派でしたが、だから「アジア王者」だとか「スター誕生」だとか浮かれているボウリング場経営者は、寝惚けているとしか思えません。
世界の中でのボウリングという競技の地位では、日本人の世界チャンピオンが生まれても、ニュース価値は低いでしょう。
つまり、順番が逆なんです。
エリートボウラーがスター選手になることよって、ボウリング場経営が救われるのではなく、ボウリング場経営の隆盛によって、日本人が世界タイトルを獲った時に、その選手はスターになるのです。
したがって、エリートボウラーを作ることに投資するよりは、市民ボウラーを育てることに投資すべきだと考えます。

カテゴリー: ボウリング業界

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