「飲食を共にして意気投合する」という行為が、ビジネスでの交渉や国家間の外交交渉を補強する働きがあることは事実です。
しかしそれに偏ってしまうと、非常に狭い範囲での情報の共有が連携の濃淡を生み出し、組織が広範囲で巨大になればなるほど、独善的で強権的なリーダーを生み出すか、リーダー不在のカオスをもたらしてしまいます。
企業ならまだしも、職位・職階という階級制度と職掌・職域という責任範囲が明確ですが、例えば業界団体などは基本的に構成メンバーが横並びです。
しかも、同業者の団体とは本質的に「商売敵の集まり」でもありますから、基本的に利己的であるのは極めて自然なことです。
そういう世界で「飲食を共にして意気投合」を掲げても、実際に建設的な話し合いが出来る訳がありません。
今でも献身的な人が居ない訳でもありませんが、自分の会社を傾けてまで同業他社に尽くすことのほうが本来は経営者として不自然であり、雇用している従業員や取引先に対して無責任な経営者であるという見方も出来ますから、ましてやそれを他人に求めるのは、許される事ではないのです。
同業者団体を「利己的な企業の集合」だといささか乱暴に定義してしまいましたが、個々の構成メンバーが通常の営利企業であるのならば自然な事なことだと思いますし、そう定義された集団に出来ることは限られてきます。
団結して出来る事は、あまねく全ての同業者が被る不利益を排除することだけです。
間違ってはいけないのは、不利益の排除以外の「利益」を誘導することではないのです。
まず第一に、利益・利権の誘導は構成メンバーである各企業の利己性を増長してしまいます。
同業の誰よりもそれを享受しようとするのが、企業として当然あるべき姿だからです。
そうではない御人好し経営者は、必ず競争に敗れます。
更に、立地や規模や施設の優劣が利益の分配に必ず不公平を生み出しますから、結局、同業者団体が利益誘導を目的とすることには無理があると結論します。
かつてボウリングに遊興税が課せられようとした時には、業界が団結しました。
そういう、業界全体に及ぼされる不利益の排除が、現時点で存在するでしょうか。
余談ですが、ゴルフは遊興税を課せられていますから、税制上はまだしもゴルフよりもボウリングのほうが、スポーツとして認められていると言えるのかも知れません(笑)
ともあれ、業界全体を覆う不利益が「業績不振」では、同業者が集まっても効果を得られるとは考え難いのです。
ボウリング業界に入って、僕はずっとそう考えていて疑問に思っているのは、単独店舗が集まって大手のチェーン店舗に対抗するような組織や、商圏ごとの店舗が連携して同一商圏の商売敵を駆逐する、遠交近攻策を採るような組織が生まれてこないことです。
既に既存のボウリング場が指を咥えている間に、最大手チェーンによって同一商圏にある既存のボウリング場が駆逐され始めています。
2011年に僕はブログで「ボランタリーチェーン」を紹介しましたが、既に共通の不利益排除の必要性が存在しないボウリング業界で必要とされているのは、利益誘導を目的に利害が一致する企業同士の連携ではないでしょうか。
日本中のボウリング場を組織に入れて「みんな仲良く」などと言っても、無益な時代になっています。
このままでは、いくつかの大手チェーンか親会社のあるボウリング場しか、生き残れないと思います。
「みんな仲良く」だけじゃ駄目でしょ
カテゴリー: ボウリング業界

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