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ボウリング場はお花屋さん

単独店舗や店舗数の少ないボウリング場ならば、店舗責任者の枯渇という問題は少ないだろう。
しかし、当社のようにボウリング業界再生を目指して店舗数を増やしていこうとすると、店舗責任者の数も増やしていかなければならない。
僕はいろんな業種を転々としてきたけれど、ボウリング場の店頭オペレーションは難易度の低い部類に入る職種だと思う。
しかし、店舗の経営をおこなう店舗責任者となると、トレンドを失っている商品の専門店を運営するわけだから、そんなに簡単ではない。
店頭オペレーション程度なら、ボウリングマニアの若い人を安く雇うことで間に合うし、実際希望者は多い。
しかし、その中から店舗責任者を選ぶとなると難しい。
多くのボウリングマニアは「ボウリング」には興味もあり造詣も深いのだが、「ボウリング場」というレジャー施設の経営となると、マニアであることが邪魔をする場合が少なくない。
そのため、異業種に人材を求めてボウリング場の経営を任せる、という解決方法を求めてきた事業主も少なくないけれど、成功事例はほとんど無いと言っていいだろう。
その原因はいくつかあるけれど、まずボウリング産業の将来性がけっして期待できるものではないこと、ボウリング産業の社会的ステータスが低いことなどのほかに、ボウリングに興味が湧かないことが挙げられる。
ボウリングマニアのスタッフは、とかく上級ボウラーに意識がいき、彼らと親しいことで仕事をした気になっているので、もっとボウリングをしたことがない一般消費者に目を向け、彼らをボウリングファンにすることを考えなさいと叱ることがあるけれど、ボウリングについて造詣を深める意欲の無い人にとっては、マニアであろうがレジャーであろうが、ボウリングをする人の相手をすること自体が退屈であり長期になれば苦痛となってくる。
よほど立地が良くなければボウリングマニアという客層を無視できず、煩雑な組織の相関関係や面倒な競技会運営にも心を砕かなければならない。
親会社からの出向でボウリング場の支配人をしている人も居るけれど、その環境に堪えて残るのは「事務系」の真面目な人が多く彼らは総じて守備的なタイプだから、新規出店のデベロッパーは務まらない。
中には、意欲的で開拓能力がありそうだと信じて採用したペテン師に騙される事業主も居たりする。

花が好きでなければ花屋は退屈で続かないけれど、ボウリング場とは花だけでなく他の植物も売らないとやっていけない「お花屋さん」なのだ。
この「お花屋さん」の店長は、花好きの固定客を育みながら、花のニーズを拡げるとともに扱える植物ならなんでも貪欲に売っていかなければならない。
この「お花屋さん」の店長を買って出る人が居たら、僕はいつでも待っているので連絡をください。

カテゴリー: ボウリング業界

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