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アマチュアにも賞金を

例えばある懸賞小説企画に応募して入選した人が、過去に原稿料収入を得たことが無ければアマチュア作家な訳ですが、「アマチュアには賞金はありません。記念の時計だけです」とはならないでしょう。
むしろ、受賞作が掲載され原稿料もいただいて、晴れて「プロ」作家の仲間入りとなります。
一般財団法人東京マラソン財団が主催した東京マラソンには記録に応じて賞金が用意されており、ニートランナーとして注目を集めた藤原選手が、2位の賞金400万円とロンドン五輪への切符を手にしたことは記憶に新しいところですが、収入として賞金を狙った藤原選手は、それでもプロマラソンランナーとは呼ばれていません。
でも、ほかに収入源が無い現状では、マラソンで食っている「プロ」だと言えるのではないでしょうか。
さて一方で、ゴルフやボウリングでは、プロテストに合格した選手しか賞金が貰えません。
プロアマオープン大会でアマチュアが賞金順位に入っても、現金は入ってこないのですね。

ゴルフもボウリングもプロ競技団体にはプロライセンスを持ったプレイヤーが多数所属していますが、毎年ライセンスフィーを納めながら、生涯賞金と縁が無い「プロ」が多数存在します。
レッスンなどのコーチ業以外の、競技選手としてゴルフやボウリングで収入を得ていない「プロ」ばかりです。
本来、競技で食べていくのがプロスポーツ選手だと思うのですが。
それでも毎年多数の人が、プロゴルファーやプロボウラーを目指してプロテストを受けます。
筆者の独断ですが、「プロ」のライセンスが競技者としての「勲章」だからなのではないでしょうか。
つまり、お稽古事の「名取」「家元」みたいなものです、と言ったら怒られそうですが。
何が言いたいのかと言えば、プロスポーツは伝統芸能ではないので、資格制度ではなく「賞金を収入源とする人がプロ」でいいのではないかと。
プロテストが大きな収入源でライセンスが主力商品、という団体にとっては腹立たしいことを書いていますが、少なくともスポーツ興行として何十人かの生活を面倒みられる賞金総額でもないプロボウリングは、岐路に立っているのは間違いありません。
筆者が勝手に思っていることなのですが、ボウリング競技の参加者を増やし観衆として一般国民の注目を集めてスポンサーを得るためには、プロライセンスの有無に関わらず参加者全員に賞金獲得のチャンスがある、そんな競技大会が必要なのでは、という事です。
それにはJBCのアマチュア規定も緩めていただかなくてはなりませんし、プロライセンスの否定に繋がるかも知れませんが、先ほどから書いているように「生活費の一部として収入源を賞金に求める者がプロ」という筆者の考え方でいけば、そうあるべきだと思うのであります。
その結果、一攫千金を求めて試しに出てみようと思う者が増えてこそ、競技スポーツとしてのボウリングの奥深さを一般大衆に知らしめることが出来るでしょう。

ボウリング場という事業体がプロライセンス所有者に求めているものは、合理的なコーチング技術と正確なドリル技術だと思いますが、JPBAライセンスが保証しているのはボウリング競技者としてのクオリティだけです。
もしもコーチングやドリルに対して権威ある資格制度が出来たなら、そちらの人材に投資するのがボウリング場にとって正しい選択となるでしょう。
軋轢をはばかって誰も言いませんが、ボウリング場が接客業だと自覚せず競技者としてだけ優秀なプロボウラーは、ボウリング場の業績になんのプラスももたらしません。
プロチャレンジマッチがファンサービスであって営利企画ではないことは、ボウリング場からギャラを貰うのではなくプロボウラー自身で主催し、集客費用、会場使用料、賞品仕入れなどをマネージメントしてみれば判ることだと思います。

カテゴリー: ボウリング業界

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