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三つの「ト」

公営ではない以上、ボウリング場といえども商業的成功なくしては、存続することが難しくなるのが資本主義社会の摂理です。
今までに多くのボウリング場が閉鎖されてきているのに、相変わらずボウリング好きのお金持ちが道楽で経営していると思い込んでいるかのような一部のボウリングマニアは商業主義に反発しますが、我々はボウリングを愛する人たちのためにボウリングレーンを残すことが使命だと思っていますので、稼がなくてはなりません。
ボウリング場は設備産業であり、その設備や備品、消耗品となると、けっこう金食い虫なんですね。

さて、ボウリング場の集客策というものは、要約すると「イベント」「プレゼント」「ディスカウント」の3つになります。
この三つの「ト」は、ボウリング場に限らず「お客様を集める」産業すべてにあてはまるでしょう。
業界最大手のこちらの会社は、さすがにプロモーションが巧みだと思うのですが、新規出店する施設そのものが「イベント」化されており、「プレゼント」には大手のスケールメリットを活かして国民的アイドルやキャラクターを起用、そして「ディスカウント」については地域別商圏別にに柔軟な対応をしています。
弱小のボウリング場が対抗し得るのは「ディスカウント」ぐらいでしょうか。
それすらもせず、従来の営業時間の中で不況の溜息をついていては、いずれ閉鎖となる運命は避けられません。
どの営業施策も宣伝広告しなければ費用対効果を得られませんが、中でも「プレゼント」と「イベント」については、ボウリングに限らずあらゆる産業が消費者に向かって宣伝訴求しており、それらの宣伝広告の海の中で陳腐化しないものでなければなりませんから、中途半端な投資はただの自己満足であり無駄遣いに終わります。

さりながら、「ディスカウント」ばかりで収益がともなわなければ、「なにもしていない」とボウリング場の経営を任された者が責められるのは世の常であり、外資系ファンドが所有者だった頃は特にそれが厳しかったので、「営業企画」と称するアリバイ工作の捻出に余念がありませんでした。
まあ勉強にはなった期間でしたが、小手先の営業企画は往々にしてスタンドプレーだったり詭弁の類であり、たまたま売上が上がると脚光を浴びたりしますが、よくよく調べてみると業績への効果は微々たるものだったりします。
定期的に施設を刷新していくのが装置産業にとって確実な生き残りの方法である以上、やはり我々は次の投資コストを稼いでいかなくてはいけないのです。

カテゴリー: ボウリング業界 経験論

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