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難しい宿題

筆者の雇用主は多角経営をされている実業家で、ボウリング業界についてはあまり詳細な部分まではご存知ありませんが、であるからこその視点から、鋭いご指摘を頂戴することも少なくないのです。
最近承ったご指摘は「ボウラーの育成について例えるなら、稚魚から成魚へ育て上げるスキルはどのボウリング場も持っている。しかし、卵から稚魚にする合理的な方法が確立されておらず、また従来のマイボールをばら撒く方法は、歩留まりが悪過ぎる」というものです。
ボウリング場の現場を経験した者なら、このご指摘はごもっともなれど、一番のウィークポイントであることも解りますよね。
卵が孵化する確率が低いので、マイボールキャンペーンなどを実施して、ともかく数多く産卵する方法を採ってきたわけです。
さて、プレゼント企画でマイボールを手にした人のうち、ボウリングに本気になる人の割合を増やすには、どうしたらいいでしょう。
その前に、なぜマイボールを手にしてもボウリングに対する興味が強まらないのか。
よく見かけるのが、マイボールよりもハウスボールの方がスコアが良い、という人です。
確かに150点程度のアベレージで良ければ、ハウスボールで構わないのです。
ボウリングは300点満点からの減点をいかに少なくするか競うスポーツで、減点を100点以内にするのが目標だなんて言ったら、初心者は腰が引けるでしょう。
また、ボウリングのスポーツとしての目標は平均点を上げる事で、ハイゲーム記録などは単なる偶然だなんて言ったら、腕力自慢のお兄さんたちに叱られてしまいます。
こう書いてきて見えてきたのは、従来マイボールプレゼントでボールを欲しがる人たちは、ハウスボールの世界においてボウリング自慢になった人たちですが、実はこういう人たちはマイボールの使い始めのロースコアが我慢できず、結局ハウスボールに戻ってしまい、底の浅いハウスボールの世界でボウリングに飽き、いずれいなくなってしまう、ということです。
ハウスボールで巧くなる前に、マイボールを持たせることが重要なポイントかも知れませんね。
シンプルなのに奥深いボウリングの世界に引き込む仕掛けは、業界にとって絶対必要であり、だけど難しい問題です。
10月の初めに、ボウラー育成では業界トップクラスの某社本部長のお話を聞くために、上京する予定です。
そこで学んだことを、このブログでご披露したいと思います。

カテゴリー: ボウリング業界

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