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話題性への投資


1985年から10年以上続いた人気バラエティ番組「天才たけしの元気が出るテレビ」(日本テレビ系列)。
僕がこの番組を今でも憶えているのは、静岡市の駿府公園でこの番組のロケがあった時に、たまたま公園を訪れていた僕の亡母と弟が「若い娘さんが鼻から金魚を入れて口から出す芸をするんだって!」と人混みが出来ているので見に行ったら、テレビカメラに向かってその芸に挑んでいたのが、なんと僕の妹(弟からは姉)だったという話を後から聞いて、それがとても印象に残っているからだ。
フジテレビが視聴率三冠王に躍り出ようかという時代、日テレとフジは熾烈な競争を演じていたけれど、バラエティ番組は時代のバブル気分にも煽られて、とんでもなく破天荒でアナーキーなものになっていった。
この番組の中で、活気を失った商店街に元気を取り戻そうという企画があり、浦安市のフラワー商店街などいくつかのオワコン商店街の活性化に取り組む企画があったけれど、実は視聴率のために笑い者にされているだけだと当時の僕は思っていたけれど、当の商店街の人々は再生に一縷の望みをかけて必死であり、放送当時は物珍しさで訪れる人も増えたから、まあ、テレビ番組を責めるべきではないけれど、所詮は一過性の見物客を集めたに過ぎない。
何が言いたいかというと、今のボウリング業界もあの当時のシャッター商店街と同じで「話題性」に投資しようとする傾向にあり、テレビに取り上げられるというだけで救われたような気分を味わっているけれど、冒頭で取り上げたテレビ番組が廃れた商店街の本質的な問題を解決できなかったように、「話題性」なんてバブリーなものだとボウリング業界も認識しなくっちゃいけません。

カテゴリー: ボウリング業界 思い出話 経験論

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