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価値の商品力が無い

ボウリング場経営とは、例えてみればラーメンだけを出す専門店のようなものです。
消費者の目先を変えるために出来ることは、トッピングを変える、容器を変える、店内の内装を一新する、価格設定を変える、増量サービスをする、添え物のライスをおかわり自由にする、ぐらいでしょう。
それでもラーメン店は、スープや麺を変えることが出来ますが、ボウリング場においてスープや麺の役割をするのはなんでしょう。
ラーメンが本来の「味の勝負」に出た場合に反応する消費者の数は可能性に満ちていますが、ボウリング場が本来のボウリング環境の質で勝負して、その価値を理解できる、それに見合った対価を支払う消費者がどれほどいるのでしょうか。
そもそも、消費者が求めるボウリングの品質とは何でしょう。
状況を打開するために出てくるアイデアのほとんどは、先ほどの例えを使うのなら、ラーメン店でおいしいコーヒーを出して客を引き寄せる、という類のものです。
そんなに大人気となるおいしいコーヒーが出せるのなら、いっそコーヒー店になってしまったほうがいいだろうと思います。
コーヒー目当てでラーメン店に来る客にとって、ラーメンの匂いは邪魔ではないでしょうか。
厨房設備だって合理化しなければならなくなるでしょう。
ボウリング場の集客策も一歩間違うと、レーンとアプローチ、ボウラーズベンチが邪魔になってしまいそうです。
つまり、ボウリング場の閉鎖です。
人を集めればいい、という商売ではなくなっています。
人の集まるところにボウリング場を作っても、繁盛するとは言えない時代なのですから。
ボウリングの本質的な商品力がラーメンほどには備わっていないのか、ボウリング業界がラーメン業界ほどの努力もしてこなかったのか。
奇抜なアイデアはすぐに陳腐化してしまいますから、一挙に挽回する集客策を考えても、ボウリング場経営では成功しません。
ぶっ壊さなければいけないのはボウリング場ではなくて、ボウリング場を取り巻く業界環境なのだと思います。
20世紀からあるものは、変えていかなければ駄目です。

カテゴリー: ボウリング業界

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