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賞金大会と賭博行為

参加費の一部が賞金原資になっているから参加費自体が「賭け金」であり賭博行為だとして、麻雀の全国大会が警察から「待った」をかけられたことがあったようです。
プロ雀士と言えども国家資格ではない私的なライセンスですから、「プロだからOK」は通用しなかったようですね。
参加費の一部を賞品購入代金や賞金に回すことは、囲碁将棋やスポーツ大会で広くおこなわれていますから、この司法判断に慌てた団体も少なくなかったようです。
それと、特定メンバーの出費で運営している団体が賞金(賞品)のスポンサーになった場合、賞金(賞品)の受賞機会が団体メンバーに限定されてしまうと、団体の会費の一部が賞金(賞品)の資金に回されたとして、「賭け金の積み立て」の疑いをかけられてしまいます。
やはり賞品および賞金の予算はすべて、競技者が含まれないスポンサーに出してもらって、参加費は大会運営費とか会場使用料にあてるほうが安全です。
それでお金が余ったら「興行収入」として税務申告をしないと、別の法令に抵触しちゃいますけどね。
日本ボウリング場協会のように「公益法人」となったら、法令順守を厳密に確認しておいたほうがいいと思います。
「公益」には当然「順法」が含まれていますから。
さて、賞品・賞金はすべてスポンサー持ちで賭博の疑いは無くなったとしても、次に不当景品類及び不当表示防止法第三条の規定に基づく「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」をクリアしておかないといけません。
ボウリング大会が「懸賞」と言われるとピンとこないと思いますが、くじ引きのような偶然性を利用して景品を決めること以外にも、「特定の行為の優劣又は正誤によって定める方法」というのも対象になっていて、「正誤による」ものがクイズのようなものだとしたら、「特定の行為の優劣による」ものには、ダンスとか楽器演奏とかの演技評価結果やスポーツ競技での競技結果が入ります。
したがって、特定の行為の優劣によって賞品(賞金)を出すコンテストだと考えると、ボウリング大会も対象になると考えられます。
この「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」によれば、懸賞に係る取引の価格(ボウリングで言えば大会参加費)の二十倍の金額を超えない賞金ないし賞品が最高限度なんですね。
つまり、優勝賞金100万円ならば、参加費は5万円以上でないといけないわけです。
大きくなった賞金を「正賞」と「副賞」に分けて誤魔化している場合もあるでしょうが、実質的にはその合計が競技者の受け取る賞金額ですから、きちんと捜査されたらきっとマズイことになります。

更に「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」では、ボウリング大会の賞金総額は、参加費収入予定総額の2%を超えられません。
参加費が15000円で定員200人の大会だとしたら、参加費収入予定額は300万円なので、賞金総額は6万円となります。
ただし、「一定の地域において一定の種類の事業を行う事業者の相当多数が共同して行う」場合には、賞金の最高額が30万円を超えなければ3%まではOKなので、たとえば地域のボウリング場協会主催ならば、賞金総額は9万円まで増やすことが出来ます。
これでいくと、そもそも高額賞金など無理ですから、トーナメント主催者はどうやって「不当景品類及び不当表示防止法」を回避しているのでしょうか。
この法令の対象とはならない根拠があればいいのですが。

以上が個人的に調べた限りなのですが、誤解や誤謬があればご指摘をお願いします。
勉強になりますので。

【追記】
参加費の一部が賞金に使われて、賭博行為だから即犯罪行為として摘発されるのか、というとそうでも無いようです。
国会の委員会議事録を見ると、市民生活の中での親睦や社交の範囲でなら目くじら立てるべきではない、と時の政府側は答弁していますし、法律の規定でも「僅少な金額」とか「費消の即時性」とか曖昧な表現で、判断は時の社会通念や価値観に委ねられているようです。
例えて言うのならば、交通法規のようなものだと思います。
我々も制限速度など細かな部分では、必ずしも交通法規を厳守しているわけではないと思いますが、際立った危険行為であったり、取り締まりに合わなければ、違反を摘発されることはありません。
おそらくは賭博行為も同様で、著しく社会通念に反していたり、世情の要請で賭博への取り締まりが厳しくならなければ、告発でも無い限り、捜査を受けたり摘発されたりすることは無いと思います。
プロボウラーが賞金を得ても一般のニュースにはなりませんし、目立つほど華美な生活を送っているプロボウラーも居ませんから、賞金の出るトーナメントが賭博として社会の糾弾を受けることは無いでしょう。
むしろ摘発の危険が高いのは、プロボウラーが個人的に、アマチュア相手に賭けボウリングをする行為だと思います。

カテゴリー: ボウリング業界

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