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ある種の人材育成

以前にも書きましたが、私のインターネットデビューは20世紀の終わりに、高校時代の友人のWEBサイトにGIFアニメのコーナーを作ってもらって、そこに作品を掲載することからでした。
その後WEBサイト全体を作ってみたくなって、程なく彼のサイトから独立したのですが、それから暫らくして彼のサイトは彼の勤務先の命令で閉鎖を余儀なくされました。
他愛も無い家族ネタと趣味ネタのWEBサイトだったので、今でも「会社が社員の個人サイトの閉鎖を命じる」という理不尽さには納得がいきません。
今のようにSNSが隆盛となるずっと以前、「ホームページ」が流行りだした頃にそれを始めた社員の「内容」ではなく「行為」そのものを禁止するとは、彼の会社の経営者は時代を読めない人だったと思います。
オフィスワークの急激なIT化の中で取り残された年配の支配層が、部下が自分の解らない方面で活躍する事に無用な恐怖を覚えたからでしょうか。
それにしても、個人のネットでの活動を総務部が調査し、個人サイトの閉鎖を命じるとは、大企業ならではの腐り方だと思いました。
その友人は「大人」でしたので、唯々諾々と会社の命令に従いましたが、私なら表面的には社命に従いながら、誰ともわからない偽装をしてネット上で会社批判を展開したことでしょう。
ともあれ、このような行為を会社としておこなう事は、人材の成長を止める行為だと思います。

ボウリング業界では、匿名巨大掲示板に会社の内情や客になりすましての苦情を書き込むのは、現役のアルバイトスタッフが少なくありません。
彼らなりに現状への憤りがあって書く場合もあり、もしくは個人的な恨みが動機の場合もあります。
秘密裏におこなわれるこのような行為を妨げることは出来ませんが、ブログやフェイスブックに実名登録(ないし「あだ名」でもどこの誰と解るように)して日々の気持ちや自説を掲載している者までも、会社で禁止して匿名投稿者に追いやるのは、会社の利益とはならないと思います。

私は私の直属の部下や同じ会社に属する人たち何人かをツイッターでフォローし、またはフェイスブックで「友達」として繋がっていますが、彼らの記事を読むことで、彼らのインテリジェンスを推し量ることが出来ますから、人事案件で対象になった時に意見を言うことができます。
また、彼らの、その時々の気分や考え方を知る事は、管理者として重要な情報だと思います。
人と人との繋がりは、お客様同様に従業員同士でもデリケートなものであり、思想・宗教が絡めば厄介な事になってきます。
中身の濃い記事を書く者ほど、その情報発信にはいろいろな危険性が伴いますが、そんな者ほど人材として有為である場合が多いので、それを禁止するのではなく、表現に注意を与えて導くべき対象だと思います。
また、インバウンドマーケティングとしてSNSを考えた場合にも、従業員の情報発信を妨げるのではなくむしろ奨励し、顧客との交流を深めることが有効です。
上司の目を気にして書かれる「御用記事」には何の面白味も無く、ネットでは相手にされません。
相手にされない情報発信には、なんの商業的価値も無いのです。
よく読まれる記事には幾分かの「毒」が含まれています。
それはスパイスであり、スパイスの効いていない料理は評判にはなりません。

ボウリング業界には古い体質が残っていて、従業員の個人的な情報発信を咎める風潮が散見されます。
私の会社にも、ツイッターやフェイスブックを禁止している事業所があります。
禁止することで管理者の責任は免れるかも知れませんが、ブロードバンド時代にふさわしい人材の成長も停止し、情報発信のスキルも上達しません。
もしもその中に「もの申す」者が居たのなら、匿名掲示板に追いやる結果ともなるでしょう。
自動車事故があるからと業務上の移動手段として自動車を禁止したりはしないように、情報発信で事故を起こした場合には適切な指導をおこなえばいいのであり、それがインバウンドマーケティング時代の人材育成だと思います。

カテゴリー: ボウリング業界

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